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on Feb 25 2025

家具の塗装の種類と特徴

皆さんは家具を選ぶときに、何を重視しているでしょうか?デザインやサイズ、素材はもちろんのこと、「塗装」も非常に重要な要素です。塗装は家具の見た目を大きく左右するだけでなく、耐久性やメンテナンス性にも深く関わっています。

この記事では、家具の塗装について、初心者の方にも分かりやすく解説いたします。塗装の種類や特徴を知ることで、より長く愛着を持って家具を使えるようになるでしょう。

 

■なぜ家具に塗装が必要なのか?

そもそも、なぜ家具に塗装が必要なのでしょうか?主な理由は以下の通りです。


1.保護
塗装は、木材の表面を覆い、傷や汚れ、湿気、紫外線などから保護する役割を果たします。これにより、木材の劣化を防ぎ、家具の寿命を延ばすことができます。特に紫外線は木材の変色や劣化を促進するため、塗装による保護は非常に重要です。

2.美しく見せる
塗装により、木材の色味や質感を変化させることができます。
好みの色やツヤを出すことで、家具の美しさを引き立て、インテリアに調和させることが可能です。着色だけでなく、木目を際立たせる効果もあります。

3.機能性
塗装によっては、耐水性や耐熱性、防汚性、抗菌性などの機能性を加えることができます。これにより、さまざまな環境で家具をお使いいただけるようになります。
例えば、ダイニングテーブルであれば耐水性や耐熱性が重要になります。

 

■塗装の種類と特徴

家具に使われる塗装は、大きく分けて以下の種類があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

 

1.ウレタン塗装

ウレタン塗装は、現在最も広く使われている塗装方法の一つです。耐久性、耐水性、耐熱性に優れており、日常使いの家具に最適です。表面は硬く、傷がつきにくいため、ダイニングテーブルやリビングテーブルなど、頻繁に使用する家具に適しています。

また、汚れも簡単に拭き取れるため、お手入れも簡単です。光沢のある仕上がりが特徴で、高級感を演出することもできます。

•    メリット
耐久性、耐水性、耐熱性に優れる。傷がつきにくい。お手入れが簡単。比較的安価。

•    デメリット
熱に弱い。再塗装が難しい。木材の呼吸を妨げる。

 

2.オイル塗装

オイル塗装は、植物性のオイル(亜麻仁油、荏胡麻油など)を木材に浸透させる塗装方法です。木材本来の質感や風合いを生かすことができ、自然な仕上がりが特徴です。使い込むほどに木材の表情が変化していくため、経年変化を楽しむことができます。

ただし、ウレタン塗装に比べると耐久性や耐水性は劣るため、定期的なメンテナンス(オイルの塗り直し)が必要です。アンティーク家具にもよく用いられる塗装方法です。

•    メリット
木材本来の質感や風合いを生かせる。経年変化を楽しめる。木の呼吸を妨げない。

•    デメリット
耐久性、耐水性はウレタン塗装に劣る。定期的なメンテナンスが必要。汚れが染み込みやすい。

 

3.ラッカー塗装

ラッカー塗装は、樹脂を溶かしたものを塗って、アルコールが揮発すると表面に薄い膜ができる塗装のことです。塗膜が薄く、なめらかで、自然に近い仕上がりが特徴です。

塗膜が薄いため、ウレタン塗装に比べて耐久性や耐水性は劣ります。

•    メリット
滑らかで美しい仕上がり。速乾性。比較的薄い塗膜で木目を生かせる。

•    デメリット 
耐久性、耐水性はウレタン塗装に劣る。傷がつきやすい。紫外線に弱い。

 

4.UV塗装

UV塗装は、紫外線を照射して塗料を硬化させる塗装方法です。非常に硬い塗膜を形成するため、耐スクラッチ性(傷つきにくさ)、耐水性、耐薬品性に優れています。

光沢のある仕上がりが特徴で、高級感を演出することもできます。

•    メリット
耐スクラッチ性、耐水性、耐薬品性に優れる。硬化が早く生産効率が高い。比較的薄い塗膜で木目を生かせる。

•    デメリット
紫外線硬化型の特殊な設備が必要なため、DIYでの補修が難しい(再塗装が難しい)。

 

5.ワックス塗装

ワックス塗装は、蜜蝋などの天然ワックスを木材に塗布する塗装方法です。オイル塗装と同様に、木材本来の質感や風合いを生かすことができます。

比較的簡単にDIYでメンテナンスができるのが特徴です。ただし、耐久性や耐水性は劣ります。

•    メリット 
木材本来の質感や風合いを生かせる。メンテナンスが可能。自然な仕上がり。

•    デメリット 
耐久性、耐水性は劣る。熱に弱い。

 

■塗装とメンテナンス

家具を長く使うためには、適切なメンテナンスが欠かせません。塗装の種類によってメンテナンス方法も異なるため、注意が必要です。

ウレタン塗装
基本的には乾拭きで十分です。汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤で拭き取り、その後乾拭きしてください。アルコール系の溶剤は塗装を傷める可能性があるため、使用は避けてください。

オイル塗装
基本的には乾拭きで十分です。傷や汚れが気になる場合は、サンドペーパーで表面を薄く削り、傷を目立たなくし、木材専用のオイルを塗り直すことで美しく仕上がります

ラッカー塗装
柔らかい布で優しく乾拭きしてください。汚れがひどい場合は、固く絞った雑巾で水拭きしてください。

UV塗装
基本的には乾拭きで十分です。汚れが気になる場合は、固く絞った雑巾で水拭きしてください。

ワックス塗装
定期的にワックスを塗り直すことで、木材の乾燥を防ぎ、美しい状態を保つことができます。

 

■家具を選ぶ際の塗装のポイント

家具を選ぶ際には、以下のポイントを考慮して塗装を選ぶと良いでしょう。

1.使用環境
ダイニングテーブルなど、頻繁に使用する家具は、お手入れが簡単で、耐久性、耐水性に優れたウレタン塗装の家具がおすすめです。また、小さなお子様がいるご家庭でも、傷に強いウレタン塗装はおすすめです。

2.風合い
木本来の質感や風合いを楽しみたい方や経年変化を楽しみたい方には、オイル塗装やワックス塗装がおすすめです。

3.予算
塗装の種類によって価格が異なるため、予算に合わせて選ぶことも重要です。

 

■まとめ

この記事では、家具の塗装について、種類や特徴、メンテナンス方法などを詳しく解説しました。塗装は家具の見た目だけでなく、耐久性やメンテナンス性にも大きく影響する重要な要素です。

この記事を参考に、ご自身のライフスタイルに合った塗装の家具を選び、長く愛用してください。この記事が、皆様の家具選びの参考になれば幸いです。

tokonoでは、さまざまな塗装が施された家具を取り扱っています。お客様のライフスタイルや好みに合わせて、最適な家具をお選びいただけるよう努めております。

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