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on Feb 25 2025

家具に使われる樹種と特徴

家具に使われる木には、たくさんの種類があります。木目や色味、重さなど、木の種類によって違いがあり、部屋の印象を大きく左右します。

この記事では、家具に使われる木材について、初心者の方にも分かりやすく解説いたします。
樹種と特徴を知ることで、より長く愛着を持って使える理想の家具を見つけられるでしょう。

 

■なぜ樹種が重要なのか?

家具に使われる木材は多種多様です。それぞれの木材が持つ特性を理解することは家具選びにおいて非常に重要です。

  • 強度と耐久性
    木材の種類によって、硬さや強度、耐久性が異なります。例えば、頻繁に使うダイニングテーブルには傷つきにくい硬い木材が適しています。
  • 見た目と質感
    木目や色合い、質感は木材の種類によって大きく異なります。お部屋のインテリアや好みに合わせて選ぶことで、より統一感のある空間を作ることができます。
  • 経年変化
    木材は経年によって色合いや風合いが変化します。この変化も木材の魅力の一つであり、種類によって変化の仕方が異なります。
  • 価格
    木材の種類によって価格が異なります。希少性の高い木材や、成長に時間がかかる木材は高価になる傾向があります。


■家具の樹種を選ぶ際のポイント

家具の樹種を選ぶ際には、以下のポイントを踏まえて考えることをおすすめします。

1.使用環境
ダイニングテーブルなど、物を置く家具は、硬くて耐久性に優れた広葉樹がおすすめです。また軽さも木によって違うため、家具の種類によって選び分けるのがおすすめです。

2.部屋全体の統一感
木目や色合い、質感など、好みに合わせて選びましょう。木によって木目や色合いは大きく違うため、「明るめ」「暗め」などのトーンに合わせて家具を選んでいくことがおすすめです。

3.予算
木材の種類によって価格が異なるため、予算に合わせて選ぶことも重要です。

4.メンテナンス
木材の種類によってメンテナンス方法が異なるため、注意が必要です。

 


■樹種とそれぞれの特徴

家具に使われる木材は、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2つがあります。
上記の家具の樹種を選ぶ際のポイントを踏まえながら、代表的な樹種とそれぞれの特徴を見ていきましょう。

1.針葉樹

針葉樹は葉が針状の木で、比較的柔らかくて軽量なのが特徴です。成長が早く、比較的安価なものが多いのも特徴です。

特徴:柔らかい、軽量、比較的安価、温かみのある質感

代表的な木材:

スギ(杉)
日本で古くから建築材として使われてきた木材で、日本で植林されている木の中で最もポピュラーな木です。軽くて柔らかく、断熱性や調湿性に優れています。
家具以外にも建築用材や小物などに幅広く使われてきました。圧縮加工を施すことで、柔らかいというデメリットを克服した家具もあります。
木目がまっすぐで美しく、色は赤みのある部分と白い部分が調和しています。

ヒノキ(檜)
独特の香りが特徴で、抗菌性や防虫効果があると言われています。高級感のある家具や、浴室などに使われることが多いです。
日本では長く使われている木で、法隆寺などをはじめ、神社や仏閣を建てるための木材として活躍してきました。白く淡い色味が多く、明るい印象を与えます。

マツ(松・パイン)
節が多く、全体的に明るく白い色味が特徴です。ナチュラルな風合いの家具によく使われます。日本では、北米産のものが多く使用されています。
油分が多く含まれているため、経年変化でツヤが出て、飴色に変化します。

 

2.広葉樹

広葉樹は葉が平たく広い木で、硬くて重いのが特徴です。成長に時間がかかるため、針葉樹に比べて高価なものが多いです。強度や耐久性に優れているため、長く使える家具に適しています。

特徴:硬い、重い、耐久性に優れる、高級感のある質感

代表的な木材:

クルミ(胡桃・ウォールナット)
高級感のある深い色合いと美しい木目が特徴で、チーク・マホガニーと並んで「世界三大銘木」と評されます。
日本で使われているもののほとんどは北米産のウォールナット。頑丈で、温湿度による狂いが少なく、古くから主にヨーロッパで家具に用いられてきました。
成長が遅く、家具などに使えるような大きさの木になるまで100年以上かかることも多くあります。
硬くて強度が高く、耐久性に優れ、テーブルの天板などには最適です。経年で、色味が明るくなっていくことが多いです。

ナラ(楢・オーク)
オークは、ブナ科ナラ属の総称です。硬くて強度が高く、耐久性に優れています。家具や内装材、他にも酒樽などにも使われる木です。木目が美しく、重厚感のある家具によく使われます。頑丈で、変形に強く、経年変化を長く楽しめ、ヨーロッパではオークのアンティーク家具が多くあります。
ホワイトオーク、レッドオークなどがあり、同じオークでも色味が違うものがあるのも特徴です。
日本では、北海道のミズナラが「ジャパニーズオーク」として、世界で高い評価を得ていました。

タモ(櫤・アッシュ)
広葉樹の中では成長が比較的早く、植林から十数年程度で伐採され、木材として使用できるようになります。
強度と粘り強さを兼ね備え、野球のバットの材料として使用されるほど丈夫な木です。
木目がハッキリしていて、北欧スタイルやナチュラルテイストなインテリアに合います。経年による変化が比較的少ないものが多いのも特徴です。

ブナ(橅・ビーチ)
ブナ科ブナ属の落葉広葉樹です。日本にも生えてはいますが数が少なく、現在流通しているのはヨーロッパからの輸入品がほとんどで、同属のビーチが広く使用されています。
耐久性に優れ、黄色から淡いピンクがかった色味が特徴。硬くて粘りがあるため曲げに強く、椅子などの曲木でよく使われます。
有名なハンス・J・ウェグナーの「Yチェア」もビーチは使われています。
経年により、ピンク味が薄くなり、黄色味を帯びていくことが多くみられます。

チーク
インドやタイ、ミャンマーなどに自生している、シソ科の木です。ウォールナット・マホガニーと並び、「世界三大銘木」と評され、高価で取引されています。
耐水性、耐久性に非常に優れており、古くから高級家具や船舶などに使われてきました。
反りや割れに強く、経年変化が小さいのも特徴。美しい色合いが特徴で、経年で濃い飴色に変化し、重厚感が出ます。

カエデ(楓・メープル)
カエデ科の広葉樹で、日本では楓と呼ばれています。現在流通しているものの多くはカナダや北米産のものです。

白く、きめ細かい木肌が特徴で、家具だけでなく楽器やまな板などにも使われています。白く柔らかい色味で、ナチュラルな雰囲気の家具に合います。硬くて頑丈で傷にも強いのも、家具に最適な特徴です。日本では、イタヤカエデという種類が人気です。


■木材の加工方法

木材は、そのまま家具に使われるだけでなく、様々な加工を施して使用されます。代表的な加工方法を見ていきましょう。

無垢材:
丸太から切り出したそのままの木材です。木の本来の質感や風合いを楽しめますが、温湿度の変化によって、反りや割れのリスクがあります。

集成材:
小さな木材を接着剤で貼り合わせて作った木材です。大きく長いサイズの板を作れるのも強み。無垢材に比べて強度が高く、反りや割れのリスクが少ないです。

突板:
薄くスライスした木材を合板などの基材に貼り付けたものです。無垢材のような質感を手軽に楽しめます。

 

■まとめ

この記事では、家具に使われる樹種や特徴、選び方のポイントなどを詳しく解説しました。
しかし、この記事でご紹介した木の他にも、たくさんの木があります。
木材の種類を知ることで、より長く愛着を持って使える、理想の家具を見つけることができるでしょう。

この記事が、皆様の家具選びの参考になれば幸いです。

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