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on Jul 30 2026

【REPORT】Meet up Furniture Asahikawa 2026 (2/3)

北海道・旭川で5月に開催された、Meet up Furniture Asahikawa 2026

前回は滝澤ベニヤとササキ工芸をご紹介しました。

今回も引き続き、Meet up Furniture Asahikawa 2026でtokonoスタッフが訪問したブランドを通して、普段目にすることが少ないものづくりの裏側をお伝えします。


デザイナーの哲学を形に|株式会社大雪木工

大雪山の雄大な景色を望む東川町に拠点を構える、株式会社大雪木工。その名の通り、北海道の自然とともに歩んできた家具メーカーです。

同社が最も得意とするのは、キャビネットやチェストといった箱物家具。

tokonoでは、家具デザイナーの小泉 誠氏と協業して作られたTPシリーズを中心に取り扱いしています。

今回の「Meet up Furniture Asahikawa 2026」において大雪木工では、小泉誠氏のトークセッションをおこなっており、

フランスの芸術家フィリップ・ワイズベッカー氏のものづくりの哲学について語られました。


トークセッション〜フィリップ・ワイズベッカー氏の思想〜

大雪木工で2015年に始まった、これからも「モノ」づくりを続けていくために、大切な「コト」を探求し続ける「大雪の大切プロジェクト」。

その中心メンバーであり、大雪木工のTPシリーズなどのデザインを手掛ける小泉氏によるトークセッションが開催されていました。

そこで強調されていたのは、フランスの芸術家フィリップ・ワイズベッカー氏のものづくりにおける「無駄がなく、シンプルで、暮らしの道具として美しいこと」の大切さ。

その思想は、大雪木工がつくる家具にも感じられるものだと思いました。

普段は木材が眠る突板(天然木を薄くスライスしたシート状の木材)倉庫を使っておこなわれたワイズベッカー氏のイラスト展示も圧巻でした。

一見するとシンプルで素朴に見える線画ですが、よく見ると線の太さや色彩が緻密に工夫されており、見れば見るほど楽しくなる作品ばかり。

何より目を引いたのは、ワイズベッカー氏と大雪木工の職人が何度もやり取りを重ねて完成させたという家具の展示です。

木肌の色合いや枝の太さのバランスなど、本当に細かい部分まで妥協のない対話が重ねられていたことが伝わってきました。

突板倉庫内の展示。空中に吊るされたイラストたちを見つつ避けつつ進みます。

 

ワイズベッカー氏のイラストをもとに作った家具。グレーの色味や枝の太さにこだわってつくられている。

 

工場併設のショールームでは様々な樹種の家具を展示。シンプルながら力強い木目の北海道産のタモの木のテーブルがありました。


大雪の大切プロジェクト

大雪木工が2015年から続ける、ものづくりの本質を探求する取り組みです。

家具デザイナーの小泉誠氏らと共に、地域の資源や日々の暮らしを見つめ直し、長く愛される家具や空間のあり方を提案し続けています。

ただ新しい家具を開発するのではなく、「これからのモノづくりで本当に大切なことは何か」を問いかけながら、様々な活動を行っています。

環境問題、資源の枯渇、戦争など、世界中は様々な課題で溢れかえっています。

単に大量にものをつくるのではなく、なぜ作るのかを探究していく姿勢には、尊敬の念を抱きます。

tokonoではTPシリーズなどを中心に取り扱いしています。ぜひ一度、ご覧ください。

+大雪木工のアイテムは こちら


技術力が支える美しい家具|株式会社匠工芸

次にご紹介するのは、1979年創業、東神楽町に工場とショールームを構える株式会社匠工芸です。

匠工芸が掲げるスローガンは、「つくっているのは、心地です。」

単に椅子やテーブルという「もの」を作るのではなく、それを使う人のその先にある幸せや、心地よい時間を生み出しているのだという強い意識が、すべてのはじまりになっています。


椅子の「裏側」が語る、圧倒的なクラフトマンシップ

今回のイベントで非常にユニークだったのが、これまでの椅子づくりへのこだわりを視覚的に伝える展示方法でした。

普段は見ることのできない椅子の「裏側」をあえて見せるようにディスプレイしたり、いくつかのチェアを完全にバラバラに分解した状態で展示していました。

家具のパーツを接合する「ホゾ加工」一つとっても、椅子のどの部分かで何種類もの高度な加工を使い分けていることが一目で分かりました。

負荷がかかる場所には強度を持たせ、意匠性を高めたい場所にはスマートな加工を施す。

デザインの美しさと日常使いに耐えうる頑丈さは、こうした見えない部分の精密な仕掛けによって両立しているのだと実感できます。

一般社団法人日本家具産業振興会が「安全、安心、環境」に配慮した国産家具を生産するメーカーを認定している“国産家具マーク”が貼られています。


高い技術を持つ職人たち

高い加工技術を支えているのが、同社に集う職人たちです。

今年開催された「旭川木工技能競技大会」では、出場したファイナリストのうち、なんと半数が匠工芸の職人だったというエピソードもあるほど。

ナラやウォールナットの自然な木目を活かし、職人の手仕事によって削り出される美しい曲線。

強度とデザインを両立したハイクオリティな家具が生み出される理由がよくわかりました。

座った瞬間に身体を包み込むあの“心地よさ”の理由を、裏側の構造から深く知ることができる、貴重な体験となりました。

tokonoでも、「yamanami」「TAPERED」「FAWN」といったシリーズを中心に取り扱っています。

ぜひ一度、ご覧ください。

+匠工芸のアイテムは こちら


今回ご紹介した大雪木工と匠工芸には、それぞれ異なるものづくりの哲学がありました。

しかし、その根底に共通していたのは、使う人の暮らしを思い、長く愛される家具を生み出そうとする真摯な姿勢です。

次回はいよいよ最終回。

Meet up Furniture Asahikawa 2026で出会ったブランドのものづくりを、最後までお届けします。ぜひお楽しみに。