吉野の森と徳田銘木 磨き丸太・自然木からみる“日本の木”
日本有数の林業地として知られる奈良県の吉野。
この地域では、古くから人の手で森が育てられ、豊かな木材文化が継承されてきました。しかし近年、和室需要の低下や職人減少などにより、林業・木材業界は大きな変化の中にあります。
そのような状況にあって、吉野の木材文化を伝え続けているのが、今回ご訪問した株式会社徳田銘木さまです。
徳田銘木さまは、磨き丸太や自然木、変木といった、人間では作れない自然の造形美を持つ木材を提供しておられます。
かつては周辺に同業者が30〜40社ほどあったとお聞きしますが、今では京都と奈良の一部を除けばほとんどが姿を消しました。
その中で徳田銘木さまは、伝統技術を守りつつ、SNSで特徴的な木の姿を積極的に発信されています。
Instagramでは節や曲がり、木が本来持つ個性が“そのままの姿”で紹介され、建築・デザイン関係者だけでなく、一般の方々からも「こんな木があるんだ」「まるで芸術作品みたい」と反響があるそうです。
今回は徳田銘木さまのこだわりのお仕事と、自然が造る木の姿について、ご紹介します。
磨き丸太が生まれるまで

磨き丸太はかつて全国の和室で多く用いられた、日本独自の文化です。
磨き丸太とは、丸太の樹皮を水圧で丹念に剥ぎ、自然乾燥させた、光沢のある木肌を持たせた化粧用の丸太材のことをさします。
一般にはまっすぐで節がなく、年輪が詰んだ材が選ばれ、木肌の艶や白さが重視されますが、徳田銘木さまでは、節や曲がりを活かしながら仕上げます(海外では砂磨きが主流です)。
古くから和室の床の間の床柱をはじめ、棟木、霧除けの柱、手すり、長押、飾り柱など、『見せる構造材・造作材』として住宅や旅館、和風の店舗で用いられてきました。
徳田銘木さまへ足を運ぶ人の多くは、建築や設計に関わる人や、デザイナーです。それぞれが自分の持つ案件に合う素材を探しに訪れ、一本一本じっくり選んでいくそうです。
「変わった木を探したいが、どこで見ればいいかわからない」という声も多く、銘木を扱う場が減少した今、徳田銘木さまの存在はとても貴重です。
端材から生まれる “一輪挿し”

徳田銘木さまは磨き丸太や自然木だけでなく、材木を加工するときに出てくる端材(はざい)を活用し、一輪挿しやスツール、お皿なども制作されています。
建築材として使えないサイズの材料でも、職人の手によって日用品として新たな価値を持たせ、『森の資源を無駄なく使って循環すること』を心掛けておられます。

樹種・大きさ・色は様々で、木そのものを楽しめます。
徳田銘木さまの作る一輪挿しはただの花瓶ではなく、木の自然の姿を残して製作されています。
そのため、木の重さ・色合い・香り・質感などをより実感でき、木そのものを身近に感じることができます。
日本にはたくさんの種類の木がありますが、その多くは知られずにいます。
自然木の世界を身近に感じ、日々の暮らしの中にそっと取り入れられる形へ落とし込むことは、林業の未来をつくる大切な試みだと感じています。
国産材・吉野の木文化を伝えるために

家具や林業に関わらない多くの人にとって、国産材は分かりづらいものだと思います。
吉野材の特徴、地域ごとの違い、木が育つまでの時間、職人の技術など、長い時間をかけて受け継がれてきた知識が、一般の方に届く機会はごくわずかです。
一本の木の背景を知ることにより、その木が育った森や携わったたくさんの人の物語を感じられ、より愛着を持って物を迎えることができると思います。
徳田銘木さまの発信が多くの人に届くことで、国産材の魅力、吉野林業の歴史や美しさが消えずに残っていく。
それ自体が、少し縁遠く感じがちな林業を身近に感じ、国産材の文化を残していくためには必要なことです。
tokonoでも、自然木や一枚板に対応できます

私たち『tokono』では、徳田銘木さまの自然木・変木・一枚板などの相談にも対応可能です。
写真では、どうしても質感が伝わり切らないのが難しいところ。
「自然木の世界を見てみたい」「気になる木を選びたい」という方がいらっしゃいましたら徳田銘木さまにご案内することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
担当者所感
吉野は林業の聖地とも言える場所ですが、時代とともに工場は減り、高齢化は進んでいます。
そんな中にあって徳田銘木さまは、時代の変遷に合わせて銘木の世界に足を踏み入れ、今ではSNSを活用し、人気を博しています。
また、以前私たちは展示会のブースで徳田銘木さまの自然木を展示したことがあります。
「この木は何ですか?」「すごくきれいですが、本物ですか?」と聞かれることが多くありました。
※下の写真の右側にある木で、『コウヤマキ』という木です。東京ビッグサイトの中で異色の存在感を放っていました。

遠い昔から、人間の暮らしの側には常に木がありました。
森に足を運ぶと、今の私たちの生活は”自然から切り離されている”と実感します。
だからこそ人はどこか無意識のうちに自然を求めており、自然のままの木の姿に懐かしさや安心といった感情を覚えるのかもしれません。
一輪挿しのような商品は、魅力的かつ手に取りやすく、それでいて奥深く幅広い木の世界を味わえます。
徳田銘木さまのような取り組みは、奥深い木の世界の入り口に人を呼び込むための素晴らしいものだと思います。
私たち『tokono』は日本の森や地域を元気にし、日本の木の魅力を多くの人に伝えるため、これからも、徳田銘木さまのような木に関わる方々をご紹介してまいります。
徳田銘木さまの商品について気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら