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知る

2026年7月22日

【REPORT】Meet up Furniture Asahikawa 2026 (1/3)

広大な大地と豊かな森林に囲まれた北海道。

その中でも、日本屈指の家具の聖地であり、世界からも注目されるデザインの街であるのが、旭川です。

そんな旭川で毎年開催されているのが、旭川を中心とした地域で開催された「Meet up Furniture Asahikawa 2026」です。

自然の恵みを敬い、伝統を受け継ぎながらも、常に新しい挑戦を続ける素晴らしいつくり手の方々の姿を見ることができました。

今回はtokonoでお取り扱いしているブランドについて、現場で感じた職人たちの思いをレポートします。


「隠す素材」から「魅せる素材」へ|滝澤ベニヤ株式会社

最初にご紹介するのは、国内で唯一「国産広葉樹合板」を作り続けている滝澤ベニヤ株式会社です。

一般的に「合板(ベニヤ板)」と聞くと、家具の芯材や壁の内部など、普段は見えない場所に使う素材をイメージするかもしれません。

しかし、滝澤ベニヤの合板は違います。

とりわけ象徴的なのが、単板(薄くスライスした木の板)と、色鮮やかな再生紙を交互に積層して作られる唯一無二の合板「Paper-Wood」です。

その美しさと品質の高さから、インテリアの表面材として、多くの建築家やデザイナーに愛されてきました。

tokonoでも、この素材を活かした「PLYWOOD laboratory」などのアイテムを取り扱っています。

Paper-Woodは豊富なカラー・厚みが展開されています。


職人たちの連携プレー

工場見学に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは、大量の単板。

 単板とは、丸太を大根のかつら剥きのように薄くスライスしたシート状の板のことで、合板はこうした単板を積層して接着剤で貼り合わせ、プレスすることでつくられます。

滝澤ベニヤでは単板は芦別の工場で加工し、私が工場見学した旭川の工場で貼り合わせて合板にしています。

単板の姿を見ると、「これが板になるの?」という気持ちになります。

1枚の合板を作るため、検品し貼り合わせた単板を1枚ずつ接着剤をつけて重ねていきます。

色とりどりの紙を挟み込んでいく工程では、機械の上に取り付けられた鏡を確認しながら、単板を流していきます。

これは、挟んだ紙の色が間違っていないかを瞬時に判断するためのものです。

職人たちのチームプレーで、てきぱきと単板と紙が重ねられていきます。

 

さらに、出来上がった合板は最終的にすべて目視でチェックされ、手作業で丁寧に補修されて完成します。

この徹底したこだわりがあるからこそ高品質で美しい合板をつくることができ、クリエイターたちの期待にも応えてこられたのだと納得しました。


なぜ、国産材にこだわるのか

滝澤ベニヤで使用されている木は、シナ、シラカバ、メジロカバなどの国産材。このように国産材にこだわるのには、深い理由があります。

日本は、国土の約7割を森林が占めており、世界でもトップクラスの森林大国と言えます。

しかし、安くて使いやすい外国産の木が国内で普及していることから、せっかくの国産資材があまり活用されていない状態が続いています。

滝澤ベニヤはそうした状況を憂い、積極的な国産材の使用を続けています。

こうした取り組みによって生まれる適切な伐採・資源の活用・森への利益還元というサイクルが、森の保全には重要なのです。

また、同社の合板は品質の高さと意匠性を兼ね備えていることでも知られ、学校やレストランなど公共施設の案件でも高く評価されています。

tokonoでも取り扱っている「PLYWOOD laboratory」は、同社のPaper-Woodを使用したインテリアとして空間に馴染むプロダクトとなっています。

ぜひ一度、ご覧ください。

+PLYWOOD laboratoryの商品を見る


 株式会社ササキ工芸|機械と手仕事のバランス

1976年に創業した株式会社ササキ工芸は、緻密で温かみのある「木製クラフト」を得意とするメーカーです。

工場についてまず印象的なのは、その洗練された雰囲気。

建物の外観はもちろん、スタッフが身にまとうユニフォームまでもがスタイリッシュで、現場には若い従業員の方々が生き生きと働いていました。

イベント用として工場の軒先に出されていたテントとテーブルには、一輪挿しの「Mango Vase」などが並んでいました。


木の個性を引き出す

職人の方々が小さなパーツの加工を行っています。1つ1つ丁寧に研磨することで、粗い状態だった木がつるりと整ったパーツになっていきます。

 

ササキ工芸の強みは、最先端の機械による精密な大量生産と職人の手による丁寧な仕上げが、見事なバランスで融合しているところです。

工場見学では各工程が分かりやすく整理されており、原材料の木が1つの小さなパーツになるまでの加工の様子を知ることができました。

タモやカバ、ウォールナットといった木材の表情を引き出しながら、様々なデザイナーと協業して生み出されるプロダクトは、どれも遊び心と実用性を兼ね備えています。

加工途中のComfy shoehorn。ここから研磨や塗装を経て滑らかな手触りに変わっていきます。


Wooden reversiのコマ。まだぼそぼその状態。1つ1つ研磨します。

 

塗装中のMango vase。ころんとしていて可愛らしい。

 

仕上げを待つPivot mirrorがずらっと並びます。


 

ササキ工芸で使用されているパッケージは、非常に簡素な方式を採用しています。

厚い白い板紙にポリプロピレンのフィルムを熱で圧着固定したパッケージは、単なる合理化・効率化を図ったものではありません。

「新しい木工クラフト」を考えた時、プロダクトだけでなく、パッケージにもこれまでにない新しい形態が必要だと考え、このようなパッケージを採用されています。

この特徴的なパッケージも、自社内で加工されています。

 

今年3月に京都で開催したPOP-UPストアでも、目を引いたこのパッケージ。

そこに収まる一輪挿しやミラー、フォトフレームなどは「インテリアに馴染みつつ、程よいアクセントになる」と大変好評でした。

ササキ工芸はこの他にも、人工大理石の端材をアップサイクルした「supernova」、京都の漆職人とコラボレーションした「pirkamonrayke(ピリカモンライケ)」シリーズなど、

木製品の枠を超えた挑戦を続けています。

+ササキ工芸の商品を見る


工場を巡りながら感じたのは、旭川の家具づくりが単なる製造業ではなく、地域の自然や文化と深く結びついているということでした。

その魅力は、まだまだ語り尽くせません。

次回も引き続き、Meet up Furniture Asahikawa 2026で出会ったつくり手たちをご紹介します。