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知る

2026年3月26日

国産材は高い?ー価格に込められた時間と価値

「国産材って、高いですよね?」

「ヒノキとかなら聞いたことあるけど、手を出しにくそう・・・」

国産材の家具について、お客様からよくいただく言葉です。

 

最近は、手頃でデザインの良い家具も増えています。

「素敵なのはわかるけど、そこまで出す価値があるのかな」

そう迷われる方が多いのも無理はありません。


それでも私たちが国産材の家具をおすすめするのは、それが単なる“高い買い物”ではなく、

数十年続く暮らしへの投資になると考えているからです。

 

1.国産材はなぜ高い?価格の裏側にある森の話

たとえば、量販店で見かける家具。

整ったデザイン、手に取りやすい価格、すぐに手に入る安心感。選択肢も多く、買い替えのハードルも低い。

そうした家具と比べれば、国産材の家具はたしかに高く見えるかもしれません。けれど、その価格の裏側にある「時間」の話は、あまり知られていません。

まず知っていただきたいのは、国産材の家具は「材料」になるまでに長い時間を要するということです。

一本の木が家具になるまでには、何十年という年月がかかります。

苗木を植え、下草を刈り、間伐を行い、まっすぐ育つよう見守る。

台風や雪、病害から守りながら、森の中でゆっくり育ちます。

ようやく伐採できる状態になっても、家具に使える部分は限られています。

反りにくさ、割れにくさ、強度、木目の美しさ。

それらを満たす部分だけが材料になります。

つまり、1本の木がそのまま家具になるわけではありません。


そのほか、乾燥にも時間が必要です。

木は、もともと水分を多く含んだ生き物。急いで乾燥させれば、あとで反りや割れとして現れます。

だからこそ、時間をかけてゆっくり水分を抜く。

数か月から、ときには1年以上かけることもあります。この“待つ時間”は、見えないけれど、とても大切な工程です。

そして、日本の山は平らではありません。

急な斜面、細い林道、機械が入りにくい環境。

海外の広大な森林のように、効率よく大量伐採できる環境とは異なります。

人の手や、小規模な設備に頼る場面も多く、そこには手間も時間もかかります。

私たちの元に国産材の家具が届くまでには、長い時間と多くの人の手、そして森の時間が重なっており、こうした積み重ねが国産材の価格に反映されているのです。

 

2.それでも選ばれる、国産材家具のメリット

では、使い手にとってのメリットは何でしょうか。

 

①本物の木がある暮らしと安心感

プリントやシートではなく、本物の木。触れたときのやわらかさ、ぬくもり、質感。

毎日使う家具だからこそ、この違いは少しずつ心地よさに変わっていきます。

さらには日本の素材を使って、日本の職人が仕立てているという安心感は、

私たちの帰る場所により安らぎをもたらしてくれるのではないでしょうか。

視界に入るたびに、「やっぱりこれにしてよかった」と思えるのが国産材家具なのです。

 

②長く使える嬉しさとコストパフォーマンス

安価な家具を数年ごとに買い替える場合と、20年以上使える家具を使う場合。

初期費用は高くても、長い目で見ればトータルコストは大きく変わらないこともあります。

私たちが扱っている国産材家具はすべて日本で生産しているため、修理やメンテナンスがしやすく、削り直しや再塗装も可能です。

“使い捨て”ではなく、“育てていく”家具といえます。

また、木は周りの環境によって反ったり割れたりする性質を持っていますが、国産材は私たちと同じ日本の風土で育った木であるため、

日本の四季や気候に合った木質で狂いが少ないとされています。

これにより、使い心地の良さを保ったまま長く愛用することができるというメリットを持っています。

もし20年使うとしたら。

もし親から子へ受け継ぐとしたら。

もし、思い出と一緒に残る家具になるとしたら。

価格の見え方は、少し変わるかもしれません。

 

③故郷の自然を守る

国産材を選ぶことは、日本の森を活用することでもあります。

木は、使うことで循環が生まれます。

適切に伐って、また植えて、育てる。

その循環があることで、森は光が入り、土砂災害を防ぎ、水を蓄え、健やかな状態が保たれます。

つまり国産材の家具を選ぶことが、私たちの大切な故郷や森の未来を守ることにつながっているのです。

 

3. 変わりつつある木材選び

近年は、外材の価格もどんどん上昇しています。

世界的な需要の高まりや輸送コストの変動、為替の影響などにより、「外材=安い」という図式も、以前ほど単純ではなくなってきました。

そうした背景から、あらためて国産材に目が向けられる場面も増えています。

輸入に大きく頼らず、国内で調達できる素材であること。

生産背景が見えやすく、つくり手との距離が近いこと。

それらは価格だけでは測れない、ひとつの安心感とも言えるかもしれません。

生まれ育った土地の木を使うことは、巡り巡って私たちの生活や故郷を健やかに保つことにもつながります。

「安いから」ではなく、「納得できるから」選ぶ。

そんな家具との付き合い方が、日々の生活をより豊かにしてくれるはずです。

選択肢のひとつとして、国産材のことを知っていただけたら嬉しく思います。